お持ち込みの車両ですが、Moulton SuperSpeedのカスタムご依頼を頂きました。
新車で注文するとご納車までだいたい2年ぐらいかかりますからね。中古(と言っても今回はほぼほぼ新車でしたけど)で購入されて、当店でお直し。と言う感じです。

元々ややクラシックレーサー的な雰囲気で組まれていたのですが、今回はちょっと大人の雰囲気で、でもちょっと個性も出しつつ・・・と言う感じに味付けさせて頂きました。
ちなみにこの個体は越後の名店の出身でしたので僕も安心して作業させて頂きました。
素性がはっきりしていると安心ですね。

全体的なカラーイメージは、あくまでステンレスフレームの美しさが主役!と言うことで他の色はあまり主張しすぎず、フレームの質感や銀色の輝きを引き立てることを主眼に考えを進めてみました。
結果的にはグリップ&サドルはブラックレザーで目立ちすぎず、ステンレスフレームと並んで「素材感」を感じさせるチョイスに。ブラックなのでステンレスの銀色の輝きがより一層映えます。
シルバー&ブラックで統一してぐっと抑えたモノトーンな雰囲気も決して間違いではないと思うんですけど、今回はちょっと差し色に赤を入れています。
でもここはあくまで「差し色」なので出しゃばりすぎてはいけません。
面積の小さいパーツにちょっとずつ赤を鏤めてていきます。
ホイールのニップル、ヘッドスペーサー(2mmだけ!)、バルブキャップ、ブレーキシュー、どれも数ミリ、数センチ程度の小さな部品にだけささやかに、でも確実に主張はしてくる、いい感じのアクセントになったと思います。


また今回はさらにお持ち込みで(←もう普通には流通してませんからね・・・。)ブレーキをデルタブレーキに交換しました。
90年代初めぐらいまで作られていた当時で言うエアロなブレーキです。
何よりこの形状がかっこいいですよね。
ブレーキとしての性能は当然今の方が良いですけどこの格好良さ、この存在感にかなうパーツってなかなか無いと思います。ピカピカのステンレスフレームの相性といったら・・・もう最高です。
ちなみに今回のお持ち込み品はなんと新品です。流石に僕もビビりますって。。。

そして前途の通りブレーキシューは赤色に交換しました。
カンパニョーロの純正品ではなく、ブレーキシュー専門メーカーのクールストップ製です。
ブレーキシューが赤い色付きって、スポーツカーのホイールの隙間からチラッと見えるブレンボのブレーキみたいな格好良さがあるかなって思ってたんです。
で、赤色のブレーキシューといえばクールストップ、と検索してみたんですけど何せ40年前のブレーキなのでダメ元で検索してみたら・・・、なんと有るんですよ。デルタブレーキ専用シューが!
しかも奇跡的に国内の問屋さんに在庫あり!ミラクルです。
(カンパ純正のブレーキシューも意外と今でも入手可能です)
デルタブレーキってとにかく効かないって言うことでも有名なんですけどこの赤いやつに変えるとかなり安心感出ますのでおすすめです。

ブレーキ自体はカッコよくて赤いブレーキシューもそれなりにしっかり効いてくれるので良いのですが、モールトンへの取り付けは非常に辛いので次回からはお断りしようかな・・・っていうレベルの難しさです。
そもそもデルタブレーキが使われていた時代ってロードバイクのタイヤは細いのが当たり前で一般ライダーなら23c、プロ選手でチューブラータイヤ使用なら21cなんてのも当たり前の世界でした。
そんな時代に作られたものなのでミニベロで使われる28cタイヤに合わせると言うのはどう考えてもミスマッチなのです。
幸いデルタブレーキってブレーキ自体が上下する造りなのでかなりぎりぎりまで追い詰めたセッティングができるんですけど結果的には一部(←批判があると嫌なので企業秘密にします)を削って取り付けしました。
その他はフレームの美しさを損なわないように、ワイヤーをニッセンのクリア色に、ペダルもMKSのNEXT系にしてシルバー系で統一しています。

こんな感じでお持ちの車体のカスタマイズもご相談くださいませ。
ちょっと余談で、
こちらは別でお預かりしたモールトンAPBについていた「シマノ オートD」というオートマ変速機。
ミントコンディションで完璧に動作します。
こんなものが現存するのがモールトン界隈の面白いところでございます。


